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木材の乾燥と耐久性
2022.11.13
こんにちは 一級建築士の清水です
木材の乾燥と住宅の耐久性についてお話します。
木材は構造材や下地材、仕上げ材として使用されますが、最も気を付けなければならないのは乾燥です。伐採された木には多くの水分が含まれており、そのままでは建築材料としては使えません。自然乾燥や人口乾燥で、含水率(木材に含まれる水分量の割合)20%程度まで水分を抜いてから使われます。乾燥が十分でないと、収縮やねじれなどの変形が生じるためです。
構造に使われた木材に変形が起これば当然、構造耐力上の問題が起こり、耐久性が損なわれます。下地材が変形すれば仕上げ材にひび割れや剝離を起こします。床材など仕上げ材の場合は、隙間が広がるなどの影響があります。
反対に、乾燥された木材を使用するメリットとしては次の物があります。
1.木材の強度が増す。
2.白蟻食害に対する耐性が増す。
3.木材の吸放湿機能が増す。
ここで内部結露の話をします。冬の暖房時室内の蒸気が壁の中に入り、外へ移動していく際、壁の中で結露を起こし、水滴が発生することがあります。これを内部結露と言います。
乾燥された木材は吸放湿の機能が増している為、壁内部の湿気を吸収し、乾燥状態時には放湿してくれます。定常計算で内部結露の発生が起こらないことの確認をするのはもとより、木材の本来持つ機能を活用し、ハウスダストの起らない家づくりを提供できることは、仕事を携わるものとしてとても誇れることだと思っています。