top of page

建築家と創る家 KK様邸

4 日前
読了時間: 7分
建築家と創る家 KK様邸

冬の静謐な空気が少しずつ緩み、風のなかに春の柔らかい匂いが混ざり始める季節となりました。日の光も少しだけ角度を変え、室内に落ちる影の輪郭がどこか優しく感じられる今日この頃です。


今年の初めから、ご自身の暮らしのあり方と丁寧に向き合ってこられたKK様ご家族。数ある選択肢のなかから、私どもひまわりハウスを家づくりのパートナーとしてお選びいただきました。私たちの手がける、素材の持ち味を活かした素朴で温かみのある空間づくりに共感してくださったこと、静かな喜びとともに受け止めております。


KK様が思い描いているのは、心から安らぐことができ、いつでも帰りたくなるような、暖かさと快適さが詰まった住まいです。それは単に数値的な暖かさだけではなく、無垢の木が足裏に伝える自然な温度や、静かな夜に灯る柔らかな光、そして家族の気配が緩やかに繋がる空間がもたらす、心の暖かさでもあります。家は日々の暮らしを包み込む器であり、その器がどうあるべきか、ご家族の思いを一つひとつ解きほぐしていく作業がこれから始まります。


頭の中にある抽象的な「心地よさ」を、建築家との対話を通して、どのように具体的な形や素材へと落とし込んでいくのか。これから始まるお打ち合わせの時間は、ご家族の未来の風景をゆっくりと描き出す、静かで豊かなプロセスとなります。


白紙の図面に最初の線が引かれ、そこにどのような無垢の木が選ばれ、どのような光が導かれるのか。少しずつ立ち上がっていく暮らしの輪郭を、大切に見守っていきたいと思います。


建築家と創る家 KK様邸

新緑が眩しくきらめき、初夏の爽やかな風に若葉の香りが混じる心地よい季節を迎えまし た。


KK様ご夫婦が思い描く「暮らしの器」を整える過程が、また一つ確かな形へと進み始めて います。日々の「生業(なりわい)」を終え、ご家族がほっと息をつく心穏やかな時間を何よ りも大切にされているKK様。


先日のコーディネートのお打ち合わせでは、空間の心地よさを決定づける大切な素材が選 ばれました。足元を優しく支えるのは、温かみのある無垢の赤松材です。素足でそっと歩け ば、木本来の柔らかな手触りと自然の温度がじんわりと伝わります。そして、室内から屋外 へと視線が抜ける天井には、美しい木目を持つ上小節の杉材をあしらいました。天井から フラットにつながる軒天が内と外の境界を曖昧にし、家じゅうのどこにいても心地よい「家族 の気配」と、光や風の広がりを感じられる空間を生み出します。


外観におきましても、日本の風景に美しく馴染む「いぶし銀」の屋根材と、上品なシャンパン グレーのサッシを採用。外壁は職人の手仕事が光る、目地の出ない滑らかな左官仕上げ とし、周囲の景観に静かに溶け込む「静謐」な佇まいを描いています。


さらに今回、お住まいの堅牢さを支える構造として「グリップポスト工法」の採用が決定いた しました。ひまわりハウスのリブランディングに向けて導入を進めていた新技術ですが、コ スト面の課題をクリアできたことで、今回KK様邸にて実現する運びとなりました。デザイン の美しさだけでなく、目に見えない構造部分からもご家族の安心を守ります。


選び抜かれた自然素材は、これからご家族の成長に優しく寄り添いながら、唯一無二の美 しい「経年変化」を刻んでいくことでしょう。次回のモデルハウスでのお打ち合わせでも、KK 様の想いにどこまでも寄り添い、完成という未来へ向けて心を尽くしてまいります。


建築家と創る家 KK様邸


甲府盆地に夏の光が満ちて、遠い蝉時雨が朝の静けさをそっと縁取る季節となりました。畑の桃はほんのりと色を含みはじめ、夕暮れには八ヶ岳のほうから風が下りてきて、昼の火照りを静かに冷ましてくれます。


「数値だけではない、心の暖かさを」——そう願うKK様ご家族とともに重ねてきたお打ち合わせが実を結び、住まいの輪郭が、いよいよ確かなものになってまいりました。足元では、以前お伝えしたグリップポスト工法が基礎の立ち上がりに用いられ、目には触れない場所から、ご家族の毎日を静かに支える土台となっています。


この住まいを外から包むのは、県産の塗料です。山梨の土地で育まれた素材を用いることで、周囲の風景と地続きの、飾らない佇まいを描いていきます。そして室内には、最新の二十四時間換気とエアコンを組み合わせた全館空調を採用いたしました。家じゅうを一つづきの穏やかな空気で満たし、廊下にも、居室にも、ふと立ち止まる階段の途中にも、温度の段差のない心地よさが広がります。数値がもたらす快適さと、無垢が伝える心の暖かさとが、静かに重なり合う住まいです。


軒は、ぐっと深く。夏の高い陽を軒下でやわらげ、木陰のような涼を招くこの構えは、日本の家が育んできた「和」の落ち着きと、いまの暮らしとを穏やかに結びます。モルタル下地による、目地の出ない滑らかな外壁とともに——これらが、これからのひまわりハウスがめざす、新しい家のかたちです。


やがて柱が立ち上がり、木の香りが現場いっぱいに満ちる頃、また続きをお届けいたします。KK様ご家族の未来の風景が、一枚ずつ、静かに描かれてまいります。


建築家と創る家 KK様邸


蝉の声がいつしか薄れ、夕暮れにはひぐらしの澄んだ音が、暮れゆく空にそっと響くようになりました。日中はまだ夏の名残の暑さが続きますが、田の稲穂は少しずつ頭を垂れ、季節は静かに秋へと歩みを進めています。


図面の上で幾度も練り上げてきた住まいが、この夏、いよいよ地面の上で動き出しました。はじめに取りかかったのは、やがて誰の目にも触れなくなる、足元の仕事です。


見えなくなる場所に、いちばんの手間を


掘り起こした地面に砕石を敷き詰め、職人が一台の機械で丹念に突き固めていきます。低い地響きが繰り返されるたびに、やわらかかった土は、揺るぎのない水平へと整えられました。そのうえに、土壌の防蟻処理をていねいに施します。無垢の木を末永く健やかに保つための、いわば住まいの「守り」です。完成すれば床下に隠れ、二度と人の目に触れることのない工程ですが、家の一生を静かに支えるのは、じつはこうした見えない足元のほうなのです。


数十年先まで続く暮らしの安心を、いま、地面の下にそっと仕込んでいく——。素朴で温かな住まいを願うKK様ご家族の日々を支える、確かな一歩が刻まれました。


やがてこの足元から、コンクリートの基礎が地上へと立ち上がってまいります。また、続きをお届けいたします。


KK様邸


砕石を突き固めたあの足元に、先日、住まいの骨格となる鉄筋が組み上がりました。


防蟻処理を終えた地面の上で、職人が鉄筋を一本ずつ配していきます。縦横に走る鉄が交わるところを、結束線でひとつずつ締めていく。細い針金をきゅっとひねる小さな音が、朝の現場に規則正しく響きました。組み上がった配筋は、光を鈍く受けながら、整然とした格子の陰翳を地面に落としています。


そして、検査です。鉄筋の太さ、間隔、重なりの長さ——図面に描かれたとおりに組まれているかを、一箇所ずつ確かめてまいります。この鉄の格子は、まもなくコンクリートに包まれ、二度と人の目に触れることはありません。見えなくなる直前のこの時間にこそ、いちばん厳しい目を向けます。


数十年先まで続くご家族の安心は、こうして一本ずつ確かめられた足元の上に、静かに築かれていきます。


まもなくコンクリートが流し込まれ、基礎が地上へと立ち上がってまいります。柱が空へ伸びる日も、そう遠くはありません。


建築家と創る家 KK様邸


長雨が続きました。灰色の雲が幾日も甲府盆地に垂れこめ、現場の土は雨粒を吸って色を深めています。


待つことも、仕事のうち


コンクリートは、天候を選びます。雨のなかで打てば、水分が余計に混じり、本来の強さに届かないことがある。だからこの時期の職人は、空を見ます。雲の切れ間を読み、気温と乾き具合を確かめ、「いま」という一点を待ちました。


そして訪れた晴れ間に、一気に。ミキサー車から流し込まれたコンクリートが、あの鉄の格子を静かに呑み込んでいきます。バイブレーターの低い振動音が響き、隅々まで、空隙を残さぬように。均された表面が鈍い光を返したとき、住まいの土台は、ようやく地上にその姿を現しました。


型枠が外れ、立ち上がった基礎が秋の光を受けています。無機質なはずのその輪郭は、けれど間取りの線そのもの。ここが玄関、ここがご家族の集うLDK——図面のなかにあった暮らしが、はじめて実寸の大きさで地面に描かれました。


急がず、確かなときを待って打たれた足元です。この上に、まもなく柱が立ち上がります。


建築家と創る家 KK様邸

bottom of page