建築家と創る家 M様邸
- 1 日前
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梅雨の晴れ間、甲府盆地の空がふいに澄み、稜線の向こうに富士の姿が浮かびました。雨に洗われた緑が濃く、軒先を伝う雫の音が、夏の入り口を静かに告げています。
M様邸の家づくりは、ひとつのテーマから始まりました。「富士山を暮らしに取り込んだ、快適な平屋」。非日常を求めるのではなく、一日の終わりに帰りたくなる家。肩の力がふっと抜け、安心してほっとできる住まいを——。その願いが、計画の背骨を静かに貫いています。
設計でまず向き合ったのは、富士山との距離の取り方でした。あの稜線を暮らしの風景として迎え入れながら、外からの視線はやわらかく遮る。庭は、開くところと閉じるところの「境界」を丁寧に編み、富士を望む心地よさと、守られた安心を両立させていきます。住まいの中心には、ご家族が自然と集うアイランドキッチンを。玄関とシューズインクロークをつなぐ二つの動線が、帰宅の所作をなめらかにほどき、暮らしの回遊を生みます。IHとエコキュートが支える静かな快適さは、語らずとも日々に寄り添う土台となるはずです。
平屋の低い佇まいに、富士の借景が重なる日を思い描きながら。M様ご家族の「ほっとできる時間」を、これから一歩ずつ、形にしてまいります。



