建築家と創る家 W様邸
- 3月14日
- 読了時間: 4分

9月末、まだ暑さの残る頃に始まったW様との家づくり。 季節は進み、現場は冬の澄んだ空気に包まれています。
今回のプロジェクトは、リニューアルした私たちのInstagramをご覧いただいたことが始まりでした。 画面越しに伝わる「木の質感」に共感していただき、土地探しからご一緒することとなりました。
この家には、大切な想いが込められています。 それは、新しいご家族の誕生に合わせた住まいであるということ。
これから始まるお子様との暮らし。 ハイハイをし、走り回り、健やかに育っていくその時間を、無垢の木や自然素材が優しく支えていく。そんな光景を想い描きながら、職人たちが手仕事を重ねていきます。

建築家と描く、暮らしの器
先日、建築家も交えたヒアリングを経て、ファーストプランのご提案を行いました。
テーブルに広げられたのは、「人が集まる場所」という願いを込めた設計図。 LDKと畳スペースを一体的に繋げることで、視線が抜け、どこにいても家族の気配を感じられる広がりを持たせました。
外観は、落ち着きのある「和」の意匠を。 周囲の風景に静かに馴染み、帰ってくる家族を優しく迎える佇まいを目指します。
図面の中で描かれた理想の暮らし。 それは、これから始まる工事によって、少しずつ現実の空間へと立ち上がっていきます。
ご家族の想いと、私たちの手仕事が重なり合う家づくり。 着工の日を、どうぞ楽しみにお待ちください。

冬の空気が澄み渡るなか、敷地の地盤調査を行いました。
見えない地面の性質を数値で読み解き、長く安心して暮らせる土台づくりの準備が整いました。
設計のお打ち合わせも節目を迎え、ご家族の暮らしを支える間取りがいよいよ確定いたしました。
ここからは、図面上の線を実際の心地よさへと変換していく作業です。外観の軒裏には、質感のある素材を採用することになりました。その素材が持つ陰影が、建物全体に静かな和の趣を与えてくれます。室内では、引き戸のレールをなくす「上吊り」の納まりを検討しています。床に溝がないことで、視覚的なノイズが消え、空間がひと続きに感じられるように。さらに、空間を引き締める濃紺のアクセントをひとつ添えて。
一つひとつの選択が、W様らしい家の輪郭を確かに描き出しています。

間取りが確定し、図面上の線を実際の空間へと置き換えていくコーディネートの打ち合わせが続いています。
現在は、部屋を包み込む壁紙(クロス)の選定を進めています。 光の当たり方で表情を変える素材の質感を確かめながら、ご家族が心地よく過ごせる色合いを一つひとつ探り当てていく時間です。
あわせて、お子様の部屋の収納についても検討を重ねました。 これから成長し、変わっていく持ち物やライフスタイルに寄り添えるよう、余白を残した使いやすい形を想像しながら計画しています。
次回は、木の温もりを活かしたキッチンのショールームへ足を運んでいただく予定です。 毎日触れ、暮らしの中心となる場所だからこそ、実際の手触りや使い勝手をその手で確かめていただきます。
対話を通じて、W様らしい暮らしの解像度が少しずつ上がっていきます。

季節が冬から春へと移り変わるなか、図面を実際の心地よさに変換していく内装のお打ち合わせも、いよいよ佳境を迎えています。
光の当たり方で表情を変える壁紙選びや、成長するお子様に寄り添う収納の形など。これまで重ねてきた対話が、ひとつの確かな空間のイメージとしてまとまりつつあります。
そして、3月25日。 この土地にいよいよ重機が入り、家を支える基礎をつくる着工の日を迎えます。机の上で思い描いてきたご家族の暮らしが、ついに現実の地面の上に線を描き始める第一歩です。
4月の下旬には、柱や梁を組み上げる上棟を予定しています。 無垢の木が持つ力強さが組み上がり、家の骨格が空に向かって立ち上がる瞬間。現場に木の香りが満ちるその日へ向けて、一つひとつの工程を静かに、けれど着実に進めていきます。
長く温めてきた想いが、まもなく形となって動き出します。


